ネイルサロンを開業するために必要な準備まとめ

ネイルサロンを開業するために必要な準備まとめ

 

ネイルアート、ジェルネイルなどの技術が進化し、ネイルでおしゃれを楽しむ人やネイルに気を使う人が増えています。
本コラムでは、ネイルサロンを開業するために押さえておきたいポイントをお伝えします。

 

目次

ネイルサロンを開業するために必要な手続きとは

 

開業に必要な資格、許可/届出を確認する

事業を始める際には、まず、開業に必要な資格の有無、保健所への届出など必要な許認可・届出の有無について確認しましょう。
→【ネイルサロンを開業するために保健所への届出は必要か】
→【ネイルサロンの開業に役立つ資格】

サロンのコンセプトを考える/事業計画書を作成する

どのようなお客様をメインターゲットに、どういうサロンにしたいか、お店のコンセプトを具体化しましょう。
ターゲットとする客層はどこか、サロンの売りや特徴は何か、どういう雰囲気にするかなどにより、立地、内装や準備する設備なども変わってきます。

開業の形態も、貸店舗、自宅サロン、出張型など、いずれがよいか検討します。それにより収支の見通しや必要となる資金も変わってきます。
→【ネイルサロンの開業に事業計画書は必要か】
→【ネイルサロンの開業に使える補助金・助成金とは】

事業形態を検討する

サロンの開業にあたっては、個人事業主として行うやり方と会社を設立して行うやり方があります。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、ご自身が考える事業に合う形態を選びましょう。
→【「個人事業主」「法人」のどちらでネイルサロンを開業するのか】
【「個人事業主」「法人」のメリットとデメリット】

開業届を出す/法人設立の登記を行う

いよいよ具体的に、開業を進めます。個人事業主の開業手続き、会社の設立手続きについて、ポイントを押さえておきましょう。
→【「個人事業主」としてネイルサロンを開業する場合の手続き】
【「法人」としてネイルサロンを開業する場合の手続き】

 

「個人事業主」「法人」のどちらでネイルサロンを開業するのか

 

事業を始めるときに、個人事業主、法人(会社)のどちらを選ぶかについては、一般的に、事業規模、業種、将来をどう見込んでいるかなどによって、異なってきます。

ネイルサロンの場合、ネイル技術があれば大きな設備も必要なく始められるため、自宅で開業されているケースも多くみられます。その場合、法人を設立せず、まず個人事業主として開業しているケースが大半です。

個人事業主と法人(会社)では、主に、創業手続きに要する時間・費用、社会的信用の高さ、税金負担の大小、責任が及ぶ範囲の観点で、違いが見られます。

社会的信用の高さという点からは、資金調達のしやすさ、人材採用のしやすさ、取引先との取引の始めやすさに違いが出てくることがあります。それぞれの観点で、メリット、デメリットを理解したうえで、自分の事業にあった形態を選びましょう。

一つの考え方として、創業後の売上がしばらく低い見込みの場合は、個人事業主としてスモールスタートで事業をはじめ、事業が拡大してきた段階で法人化を検討するとよいでしょう。

一方で、創業時から、広い店舗を借りスタッフを複数名雇用して、短期間で大きな売上を見込む計画がある場合は、当初から法人化を検討してみるのもよいでしょう。

 

「個人事業主」「法人」のメリットとデメリット

個人事業主と法人について、主なメリット、デメリットをまとめました。

〇:メリット、△デメリット

個人事業主 法人(株式会社)
創業手続き 〇創業手続きが簡単

-税務署に開業届を出すのみ

-費用はかからない

△設立手続きに手間と費用がかかる

-定款作成、登記が必要

-登記完了まで日数がかかる

-登記費用などがかかる(最低25万円程度)

社会的信用 △法人に比べ社会的信用度は劣る

-金融機関の融資審査時に条件が厳しくなる

-人材の採用募集の面では法人より不利

-取引先によっては個人事業主との取引を避ける企業もあり

〇一般的に、社会的信用度は高い

-法人の場合は財務諸表を作成するため、金融機関の融資判断を得やすい

-取引先の開拓、人材の採用募集などの面で個人事業主より有利

税金 △経費に計上できる範囲が狭い

〇一定の所得までは、個人事業主の方が税金を抑えることができる

△所得が大きくなると、税率が高くなり、税負担が重い

〇経費に計上できる項目が多い

〇所得が大きくなると法人の方が節税効果あり

△赤字の場合でも税金(法人住民税の均等割部分)の支払が必要

社会保険

(従業員分含む)

〇5人未満までは、加入義務はないため、社会保険料の会社負担分は発生しない △加入が必須のため、社会保険料の会社負担分が発生
責任の範囲 〇事業の成果は全て個人のものとなる

△万が一のことがあると、個人の責任として個人財産をもって弁済が必要(無限責任)

〇法人と個人の財産は区別される(有限責任)

△ただし、代表者は取引に際して保証をすることがあり、その場合、保証責任を負う

 

※一般的には、個人事業主から法人化(法人成り)する目安として、個人事業の利益が800万円を超えたあたりといわれますが、正確には所得控除やその他の条件により変わってきますので、法人化するタイミングは税理士など専門家にご相談ください。

 

「個人事業主」としてネイルサロンを開業する場合の手続き

 

個人事業主として開業する場合に押さえておきたい手続きをまとめました。

 

「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届):最寄りの税務署に提出 [事業開始日から1カ月以内]

 

個人事業主として、税金の特別控除を受けたり、銀行口座の開設や契約を締結したりするためには、開業届の提出が必要です。開業届には、ご自身のネイルサロンにあう屋号を考えて記載しましょう。

 

節税につながる届出(青色申告)

 

・「青色申告承認申請書」:最寄りの税務署に提出 [新規開業時は、事業開始日から2カ月以内]
青色申告にすると、最大65万円の特別控除、3年間の赤字損失の繰越、減価償却の特例のメリットがあり、節税につながります。青色申告の申請も開業時にあわせて行うことをお勧めします。

・「青色申告事業専従者給与に関する届出書」:最寄りの税務署に提出
家族にネイルサロンを手伝ってもらう場合には、その給与を経費として計上できるようになります。青色申告をしていることが前提です。

 

サロンで従業員を雇用する場合の届出

 

・「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」:最寄りの税務署に提出 [事業開始から1カ月以内]
ネイルサロンで従業員を雇用する場合、給与を支払うために提出が必要です。

・「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」(従業員が10人未満の場合が対象)
原則毎月支払う源泉所得税について、納付回数を年2回にまとめることができます。

・労災保険「保険関係成立届」「概算保険料申告書」:事業所を管轄する労働基準監督署に届出 [雇用した翌日から10日以内]

・雇用保険「①雇用保険適用事業所設置届」「②雇用保険被保険者資格取得届」:ハローワークに届出 [①事業開始の翌日から10日以内、②雇用した翌月10日まで]
※労災保険、雇用保険は、従業員を1人以上雇用した場合に届出が必要。
・社会保険(健康保険、厚生年金保険)「新規適用届」「被保険者資格取得届」:年金事務所に届出 [発生後すみやかに届出]
※社会保険は、常時雇用する従業員が5人以上の場合に届出が必要。

 

ネイルサロンの屋号を名義人とした銀行口座の開設

 

事業専用の銀行口座を作っておくと、お金の出入りの管理や確定申告時に便利です。また、取引先に対しても、個人事業を実際に営んでいることの証明にもなります。

屋号名義の銀行口座開設には、開業届の控えの提出が求められる場合があるので、開業届に屋号を忘れずに記載しましょう。

 

「法人」としてネイルサロンを開業する場合の手続き

 

会社を設立し法人として開業する場合に押さえておきたい手続きをまとめました。

 

株式会社の設立登記に関する手続き

 

・法人の商号(会社名)を決める
同一所在地に同一の商号を登記することはできません。事業を行う所在地を管轄する法務局で、同じあるいは類似する会社名がないか確認をし、他店と誤認されそうな商号は避けるようにしましょう。

・会社の印鑑を作成し、印鑑証明書を取得する
・定款を作成し、公証役場で認証を受ける
定款認証には手数料がかかります(公証人への手数料5万円、収入印紙4万円、定款謄本作成手数料約2千円)。電子定款の場合は、収入印紙が不要になります。

・資本金の払い込み
・登記書類の作成、登記申請
「設立登記申請書」「定款(謄本)」「役員の就任承諾書」「役員の印鑑証明書」「印鑑届出書」「出資金の払込証明書」などの作成準備が必要です。

会社の設立登記には、登記免許税が15万円は最低かかります。

 

税務署への届出

 

・法人設立届出書 [法人設立後2カ月以内]
・青色申告承認申請書 [法人設立後3カ月を経過した日と最初の事業年度終了日のうち、いずれか早い方の前日まで]

 

サロンで従業員を雇用する場合の届出

 

従業員を雇用する場合に必要な届出は、個人事業主として開業し従業員を雇用する場合とほぼ同じです。
社会保険(健康保険、厚生年金保険)の「新規適用届」「被保険者資格取得届」については、従業員が1人以上の場合に、年金事務所に届出が必要になります。

 

ネイルサロンを開業するために保健所への届出は必要か

 

ネイルサロンの開業に際しては、貸店舗や自宅サロンなど店舗の形態にかかわらず、保健所への届出は特に必要ありません。また、その他に許認可が求められるものは現時点ではありません。

ネイルサロンは、満たさなければならない店舗の施設基準などもないため、ご自身で開業する場所、必要な設備や備品が準備できれば、開業することができるという点で、始めやすいといえます。

ただし、ネイルサロンで他のサービスや物品販売を併せて行う場合には、注意が必要です。

ネイルサロンにおいて、ネイルだけでなく、まつげエクステやマッサージを行う場合:まつげエクステを行う場合、美容師免許が必要になります。

また、治療効果を得るためのマッサージを提供する場合、あん摩マッサージ指圧師という資格が必要になります。このように国家資格が必要なサービスを提供する場合には、保健所に事前に届出が必要になります。

ネイルサロンで化粧品などの物品販売を併せて行う場合:
販売にあたって、「薬機法」(医薬品医療機器等法)でNGとされる表示や宣伝方法があるため、あらかじめ確認をしたうえで、取り扱いを判断しましょう。

なお、2010年9月に厚生労働省より「ネイルサロンにおける衛生管理に関する指針」が発表されていますので、ネイルサロンの開業にあたって保健所への届出は不要ですが、衛生面には十分気を配る必要があります。

ネイルサロンにおける衛生管理については、NPO日本ネイリスト協会(JNA)が「JNAネイルサロン衛生管理士」という資格制度を設けており、必要な事項を学ぶことができます。ご自身のサロンにおける安全で安心なネイルサービスの提供のため、取得しておくとよいでしょう。

 

ネイルサロンの開業に事業計画書は必要か

 

事業を始めて続けていくには、資金が必要です。
個人事業主として自宅でサロンを開く場合、初期投資は抑えることができますが、サロンを続けていくためには、集客に向けた広告宣伝、必要な材料や備品の調達など、継続的に費用は出ていきます。

会社を設立し、貸店舗で開業する場合は、初期投資も相当必要になります。あらかじめ事業計画書を作り、1年後、3年後にどうなっていたいか、その実現に向けた計画を作ることがとても重要です。

 

■事業計画書の作成のメリット

 

事業計画書を作成することは、次のようなメリットがあると言えます。

・事業の内容や特徴の整理、強みや弱みを整理することができる
・検討が不足している点に気づくことができる
・関係者からの協力が得やすくなる:金融機関に融資を受ける際に事業計画書は欠かせませんが、家族や知人にも、やりたいことをわかりやすく示すことができ、協力を得やすくなります。
・開業後に、見込み違いの点や軌道修正が必要な点にすぐ気づき、検討しやすくなる

 

■事業計画書において整理が必要な項目

 

事業計画書(創業時には、創業計画書)で考える項目を列挙してみます。

創業の動機を書き出し、これまでの経歴や経験、保有スキル、人脈の棚卸をする

創業の動機は、サロンの経営理念やビジョンにつながるものです。これまでの経歴や特徴的なスキル、人脈などは、資産であり、サロンの強みにつなげることができます。

サロンの事業コンセプトを整理する

どのようなお客様に対して、どういうサービスを、どのような手段で提供するか、具体化します。ターゲットとする客層と顧客ニーズにより、サービス内容や、サロンの立地や内装、準備する設備なども変わってきます。

事業コンセプトが整理できたら、サービスメニューの種類や価格、自宅で始めるか、店舗を借りるか、出張型でサービス提供するかなども具体化します。

周辺の環境を確認する
周辺で競合になりそうなネイルサロンのサービス内容を把握し、ご自身のサロンのセールスポイントを明確に打ち出せるようにしましょう。

収支計画を作成する
顧客一人当たりの売上(客単価)、1日あたりの顧客数を想定し、月と年間の売上予測をたてます。サロンの席数、スタッフの人数、ネイルサービスにかかる時間などを加味して考えます。支出に関しては、材料の仕入れや人件費、広告宣伝費、水道光熱費、家賃など、定常的に生じる経費を洗い出します。あわせて、年間でどの程度の利益を出せるようにするか、計画をたてます。

資金調達計画を検討する
創業にいくら資金が必要で、その資金をどう調達するのか、具体化します。

必要な資金は、店舗や備品購入などの設備資金と必要な経費の支払のための運転資金の額から、どのくらい資金が必要か算出します。運転資金は、最低3カ月分、できれば半年分は確保しておくことが望ましいです。自己資金で足りない分は、金融機関などからの借入で準備していく必要があります。

事業計画書の様式は、金融機関や創業支援機関のサイトで取得できます。これらを参考に作成し、中小企業診断士などの専門家に相談してブラッシュアップしていくとよいでしょう。

(参考)日本政策金融公庫:https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html

Tokyo創業ステーション:
https://startup-station.jp/m2/services/consultation/planconsulting/jigyo-keikakusho/

 

ネイルサロンの開業に使える補助金・助成金とは

 

ネイルサロンを開業し事業を継続していく際に必要なお金について、自己資金を用意したり、金融機関から借りる以外に、補助金、助成金を申請するという方法があります。

補助金、助成金は、いずれも基本的に返済する必要がない資金のため、どのようなものがあるか把握し、有効活用をしていきましょう。ここではネイルサロンで活用できそうな主な補助金・助成金を紹介します。

 

■補助金について

 

補助金は、事業を活性化させる目的で、主に国(経済産業省)や自治体などが運営している支援金制度です。
補助金交付には、審査があり、不採択になる場合もあります。

また、審査通過後にすぐ補助金の交付を受けられるわけでなく、補助対象となる事業を行い自分で経費を支払った後に、「後払い」でかかった費用の一定割合が支給されるしくみになっています。

補助金が支給されるまでの期間は長くかかるので、一定額の自己資金は用意しておきましょう。

 

-小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)

 

持続化補助金は、販路開拓の取組み、業務効率化の取組みに要する費用の支援制度です。新しい設備・機器・材料の購入費や販促・広告費などに適用可能です。

例えば、新たに店内改装をしたり、集客のためにホームページを開設したり、新たな販促用チラシの作成・送付をしたりなど、様々な用途に使うことができます。

補助額は、対象経費の2/3以内、上限額は50万円です。
小規模事業者を対象としているため、法人又は個人事業主としてサロンを開業し、常時使用する従業員が5名以下の場合に、申請することができます。

 

-IT導入補助金

 

IT導入補助金は、バックオフィス業務の効率化やマーケティングによる売上アップなどの経営力の向上・強化のために、ITツールを導入する際の費用の支援制度です。

例えば、予約ソフトやPOSレジシステムの導入、顧客管理システム、売上管理システムなどの導入などに使うことができます。ただ、導入するITツールは、「IT導入支援事業者」が登録するITツールから選ぶ必要があるので注意が必要です。

補助額は、通常、対象経費の1/2で、上限額は450万円です。令和2年度分の募集では、コロナ特別枠が設けられ、補助率や対象となる経費も通常枠とは異なる条件となっていました。

 

-ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)

 

ものづくり補助金は、ものづくりや新しいサービスの創出を目的とした支援制度です。革新的なサービスの開発、サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資などの費用が補助されます。

例えば、新しい商品やサービスメニューの開発に必要な機械装置・システム構築費、技術導入費、広告宣伝費などに使うことができます。

補助額は、中小企業者は対象経費の1/2、小規模事業者は対象経費の2/3で、上限額は、1000万円(一般型)です。持続化補助金、IT導入補助金に比べ補助額は大きいですが、審査を通過するハードルは比較的高い補助金です。

補助金の募集は年に数回行われていますが、申請期間は短く、申請条件も追加や変更されることがよくあります。コロナ対応の特別枠が設けられた補助金も多くありました。申請条件を確認し、タイミングを逃さずに申請をしていくことが必要となります。補助金について詳しく知りたい、活用してみたいという場合は、ぜひ中小企業診断士などの専門家にご相談ください。

 

■助成金について

 

助成金は、雇用や職場環境の改善などを目的に、主に厚生労働省が運営している支援金制度です。
サロンでスタッフの雇用を考えている場合、人材確保や離職防止、人材育成によるスキルアップなどに活用できるものがあります。

補助金と異なり、条件を満たしていれば、原則申請すれば受け取ることができます。ただ、雇用保険に加入していることが前提となります。支払は「後払い」という点は、補助金と同じなので、助成金が支払われるまでの手元資金は確保しておきましょう。

 

-キャリアアップ助成金

 

非正規雇用の従業員のキャリアアップを促進する支援金制度です。サロンでアルバイトやパート、契約社員がいる場合に、正社員として雇用したり待遇の改善などを行う際に利用できます。

 

-トライアル雇用助成金

 

就業経験がない方や離職して1年以上の期間が経っている方を雇用した場合に支給される助成金です。

 

-両立支援等助成金

 

育児や介護などの家庭生活と仕事を両立できるように、労働環境の改善を行った場合に支給される助成金です。

 

-人材開発支援助成金

 

研修や教育制度を取り入れて、従業員の人材育成を行なっている事業主に支給される助成金です。

 

-雇用調整助成金

 

景気の悪化などにより事業活動を縮小せざるを得ない状況になった場合に、従業員を解雇せず、雇用を維持した場合の費用を助成する制度です。

支給対象となるのは、6か月以上継続して雇用している従業員です。休業手当の支給、教育訓練の実施に伴う費用などに対し、一定の割合の額が支給されます。

助成金は通年で申請することができます。申請にあたっては、雇用保険の加入のほか、就業規則の提出など、各種条件が決まっています。助成金について詳しく知りたい、活用してみたいという場合は、ぜひ社会保険労務士など専門家にご相談ください。

 

ネイルサロンの開業に役立つ資格

 

美容院の開業には美容師免許が必要ですが、ネイルサロンの開業のために特に資格は必要ありません。
民間団体においてネイリストの技能を検定する試験は複数行われています。

これらの資格は、技術力の向上やお客様からの信頼を獲得するのに役に立ちます。サロンのスタッフを採用する際の技術レベルの確認やスタッフの技術レベルの向上のために、技能検定試験を活用するとよいでしょう。

 

■ネイリストの技能を検定する試験 – 代表的なもの

 

 

「ネイリスト技能検定試験」:公益財団法人日本ネイリスト協会(JNEC)主催

 

24年の歴史と約86万人の受験者実績があり、ネイルの正しい技術と知識の向上を目的とした実践に役立つ検定試験です。難易度は1級、2級、3級の3段階で、各級ともに技術試験と筆記試験があります。

 

「JNAジェルネイル技能検定試験」:NPO日本ネイリスト協会(JNA)主催

 

1985年に設立された「日本ネイリスト協会」が開催するジェルネイル検定です。サロンワークでジェルネイルを施術するために必要な理論と技術の修得を問うための試験です。初級・中級・上級の3階級に分かれています。試験は技術試験と筆記試験の両方があります

 

「ネイルスペシャリスト技能検定試験」:NPO法人インターナショナルアソシエーション主催

 

ネイルスペシャリストとしての正しい知識・技術を目的としたサロンワークに役立つ技能検定試験です。初心者を対象としたA級/SA級、プロフェッショナルを対象としたPA/AA/AAA級の2つに分かれます。いずれも、学科試験と実技試験の両方があります。

 

「ジェルネイル技能検定試験」:NPO法人インターナショナルアソシエーション主催

 

2009年から開始された検定試験で、ジェルネイルの正しい知識、技術が問われサロンワークに役立てます。1級、2級、3級と3段階あり、3級は学科試験と実技試験、2級、1級は実技試験の合格で認定されます。

他に、技能認定機関がネイリスト向けに行う講習、専門学校での技術習得でも、スキルを身につけることはできます。

 

■ネイルサロン経営に役立つ資格

 

 

JNAネイルサロン衛生管理士:NPO日本ネイリスト協会(JNA)主催

 

ネイルサロンにおける衛生管理自主基準を普及し、安心・安全なサロン運営をするための資格制度です。JNA認定校で実施される講習会を受講し、筆記テストに合格した方に資格が付与されます。

 

ネイルサロンの開業後の集客方法

 

一般的に、お客様に商品やサービスを知っていただいたとしても、関心をもってもらい、購入に至るまで、徐々に数は絞られてきます。実際に利用いただいたお客様にリピートしていただければ、知り合いに紹介したり、口コミで拡散してもらえる可能性が広がります。

ネイルサロンは、リピートのお客様を増やしていくことがポイントになります。

ネイルサロンの開業後の集客方法

ネイルサロンの開業後の集客方法

 

■開業前に準備しておきたいこと

 

まずはお店を知ってもらうことが必要です。ターゲットとしたい顧客層を考え、その顧客にアプローチしやすい宣伝方法を検討します。

ネイルサロン予約検索サイトへの登録のほか、サロンのホームページの開設、SNSのアカウントの作成をしましょう。ネイルサロンを利用される方は、ほぼスマホを持っているので、スマホで簡単に見れるTwitter、Instagram、FacebookなどのSNSを使った宣伝はとても大事です。

自宅で開業する場合、チラシ配布など通常の宣伝方法では集客が難しい場合があるので、SNSを積極的に活用しましょう。例えば、開業前にプレオープンとして実際にお客様にサービスを提供してみて、その様子をSNSに掲載し発信するいった工夫も集客につなげる一案といえます。

ネットを活用した宣伝以外に、店頭の看板、チラシ配布なども目を引くきっかけになるので、ターゲットとしたい顧客層にあわせて、準備をしていきましょう。

 

■リピートのお客様の獲得に向けて

 

リピートしていただくためには、技術力を磨き、サービスの充実により、満足度を高めることは基本となりますが、リピートをしたくなるしかけとして、以下のような工夫を取り入れるとよいでしょう。

  • ポイントカードの発行
  • 紹介割引:知り合いを紹介した場合に割引を受けられる
  • リピーター特典:複数回来店すると追加サービスが受けられる、来店時に次回の予約を入れるとお得になる
  • 季節やイベントごとの特別メニューの案内

また、利用されたお客様の声をサロンのホームページに掲載したり、リピートされているお客様に来店後のネイルをSNSで発信いただくなど、ネットでの情報発信を継続的に行いましょう。新規のお客様の獲得につながりやすくなります。

集客方法は、ご紹介したように、ホームページやSNS、チラシなどの媒体のほか、ポイントカードやキャンペーンを打つなど、さまざまな手法があります。

すべて対応することは時間とコストもかかるので、お客様が何を見て来店されたのか確認して、効果を見ながら定期的に見直しをかけていくとよいでしょう。

  • 横山由香(Yuka Yokoyama)
    横山由香(Yuka Yokoyama)

    中小企業診断士、ファイナンシャルプランナー(AFP):主に創業支援に携わっています。 情報サービス会社勤務:IR/CSRの業務を経て、現在は人事・労務、育成、働き方改革に従事。趣味は辛いもの、モンブランケーキを食べることです!

PAGE TOP