当然のことですが、美容室経営においては顧客に来店していただかなければ、ビジネスとして成り立ちません。したがって、顧客とよい関係を築き継続して来店していただきたいものです。
そのために必要な方法の一つが顧客管理というものです。
美容室の集客・リピート率アップに必要な顧客管理とは?
来店いただく顧客によいサービスを提供することも大切ですが、来店いただいた後、その顧客との関係性を継続していくことも売上を上げるためには大切な活動です。
例えば、前回来店日、担当スタッフ、提供サービス、趣味・好みなどの個人に関する情報などをデータベース化して分析し、次の営業活動につなげていくことで、より効果的に顧客アプローチし、来店回数(リピート率)をアップや提供サービスの単価向上につなげ、売上・利益を確保していくことを狙いとしていきます。
しかし、難しく考える必要はありません。簡単に言えば、顧客リストを作成して、定期的にその顧客に対して、定期的に連絡をするという手法は多くのお店で実施されているのではないでしょうか。
既に当たり前にやっているという方も改めその大切さを考えてみてください。いままであまりやっていないという場合も、この記事をきっかけに検討してみてください。
美容室で行う顧客管理が集客・リピート率アップに重要な理由
なぜ顧客管理が重要なのでしょうか。ずばり「リピーターの確保」「リピート率アップ」のためです。
美容室経営に限りませんが、お店側の一方的なサービス提供では、顧客のニーズに応えることはできません。顧客のニーズに応えることができなければ、美容室を経営していくことはできません。顧客のニーズを把握することがとても大切であるといことは当然でしょう。
特に美容業界は店舗数でみても大変競争が激しい業界であり、リピーターになっていただきリピート率をアップさせるためにも、来店いただいた顧客の情報を収集し、管理しない手はありません。
顧客管理により顧客のニーズや特性を把握し、効果的なタイミングで効果的な内容を提供していくことが美容室経営において大変重要になります。
さらにリピート率がアップが上がっていけば、その顧客との関係性は来店回数に比例する以上に強固なものとなり、次回も自分のお店選んでもらえる可能性が高くなります。
美容室にとってリピーター獲得・リピート率アップはとても大切
顧客は新規顧客と既存顧客にわかれます。新規顧客は初めて来店した顧客、既存顧客は過去に来店いただいたことがある顧客です。
売上を伸ばしていくためには新規顧客も既存顧客も重要ですが、特に既存顧客の獲得が美容室経営において重要です。
繰り返しになりますが、競争の激しい美容業界で初めての顧客を獲得するよりも、一度来た顧客がもう一度来店してくれるように働きかける方が効果的だと思いませんか?
具体的には、顧客獲得コストに違いがあります。一般的に新規顧客獲得コストは既存顧客獲得コストの5倍のコストを必要とするといわれています。
例えば、新規顧客を獲得する場合、まだ見ぬ潜在的な顧客に対して、広く広告を出さなければならず、広く浅いアプロ―チになります。
一方、既存顧客を獲得するためには、決まったターゲットに対し広告を出すことができるため、深いアプローチが可能になるためです。
ただしターゲットが決まっているだけでなく、ターゲットのニーズや特性を把握したうえでアプローチするとより効果的なアプローチとなります。そのために必要なのが顧客管理です。
顧客管理ができていれば、「来店周期に合わせる」「好みのカラーやデザインのクーポンをつける」「担当スタッフから連絡する」など、顧客の状況に合わせたアプローチが可能になります。
リピーター獲得のメリットは集客面だけではありません。
再度来店していただけたということは、その時の接客サービスに満足していただいていると理解できます。
裏を返せば、接客サービスが悪ければリピートしていただけないということになりますが、、、
経営者としては、こういった材料を活用してスタッフのモチベーション向上・技術向上につなげていくことが必要になります。
また、来店回数が多いほど、その顧客に関するする情報は蓄積されていき、一層最適化されたサービス提供、より強固な関係構築につなげていくことが期待されます。
なにより、一定数のリピーターを確保できていれば、ある程度の売上見込を立てることができるようになり、経営の安定化につながります。継続的な成長に必要な長期計画を立てることにもつながっていきます。
美容室でリピート率をアップさせるための顧客管理のやりかた
顧客管理によるリピーター確保、リピート率アップの重要性をお伝えしましたが、具体的にどのように顧客管理を行えばよいのでしょうか
まず管理すべき項目を設定しましょう。
顧客の情報を収集することから開始しますが、あまりに項目が多いと管理業務の負担が大きくなるため、開始時は必要な項目に絞るとよいでしょう。
主な項目は以下のようなものです。
- 来店日
- 提供したサービス(カット、カラーなど)
- 提供したスタイル、デザイン
- 将来的なスタイル、デザイン(本人の希望)
- 髪質(特徴、髪に対する悩み)
- 薬剤の相性(アレルギー有無など)
- 趣味、ファッションなど
- 提案(スタイル、セットなど)
これら全てを管理しなければいけないということではありません。また、あくまで一例ですので、お店の目的に合わせて項目を設定する必要があります。
さらに一度記録して終了ではありません。来店回数が増えるほど顧客に関する情報は蓄積されていくはずです。もしくは、将来したいスタイルや趣味、ファッションなど年齢や時期ごとに変わるものもありますので、来店の度にアップデートするようにしましょう。
こうした情報を把握しながら接客をすることで、お店への信頼感を高めてもらいましょう。
美容室でリピート率アップのために検討したい顧客管理システムの活用
美容室経営において顧客管理を行う場合、顧客管理システムを活用するとよいでしょう。システムの活用によって、お店のスタッフ内で顧客情報を共有することができるようになります。
一部のスタイリストだけがその顧客の情報を知っているのではなく、美容室全体として把握しておくことで、スタイリストの交代等があった場合でもスムーズな対応が可能になるというメリットがあります。
また、システム化により、「顧客の誕生日月」や「前回来店から一定期間が経過」など、効果的なタイミングでのメッセージ送信ができるようになり、「前回のサービス内容」や「希望するスタイル」などから、効果的なクーポンを発行することができるようになります。
ただし、管理業務上、ツールを使うこと自体が負担になっては逆効果ですので、システムを選ぶ際は
- 操作が簡単であること(入力時、検索・参照時)
- 共有すべき内容が見やすいこと
- システム利用コスト
に注意して選ぶとよいでしょう
「3.システム利用コスト」は経営上の固定費になります。顧客管理システムを導入した結果でその固定費以上の売上アップが見込めなくては意味がありませんので、メリット面だけでなくデメリットも忘れずに検討してください。
スタート時はエクセルなどの簡易的なもので問題ないと考えます。次第に顧客管理におけるお店側の目的が明確になってきますので、有償システムなどはそこから検討すれば十分です。
顧客管理で美容室の集客・リピート率アップのまとめ
顧客管理を始めるためには、顧客情報を収集することが大前提となります。来店時に情報を記入いただく方法もありますが、いきなり氏名や電話番号を記入することに抵抗がある顧客もいますし、個人情報の観点から強制することもできません。
必要以上に記入項目が多いと不信に感じてしまう可能性もありますので、注意しましょう。
Webサイトの予約情報などから情報収集できれば、より業務の負担を軽減できる可能性がありますので、顧客管理を行う場合は検討してみてください。
顧客との信頼関係を築くことは、リピート率をアップさせるための第一歩です。実際にはすでに実施されている美容室も多いと思います。
いまやっている顧客管理の大切さを認識して、より効果的な方法を検討するきっかけになれば幸いです。